ロムニーです。こんにちは。
この記事では米国のETFのうち、米国インデックスETFの代表VOOと高配当ETFの代表SPYDを徹底比較し、投資家タイプ別のおすすめの投資方法を解説しています。
最近Twitter界隈で高配当株への投資が流行っている気がします。
ETFや個別銘柄を調べるうちに

インカムゲインが良いの?
キャピタルゲインが良いの?
という悩みに必ずぶつかるかと思います。
さらに、キャピタルゲインを狙って資産を増やしてから、必要な時にインカムゲイン目的の銘柄に切り替える、という第3の方法も考えられます。
今回はキャピタルゲイン代表のVOOとインカムゲイン代表のSPYDの過去実績を基に検証をしながら、第3の方法に対する一つの考え方を説明しています。
VOOとは?SPYDとは?基本情報の確認
基本情報の比較は以下の通り。
VOO | SPYD | |
投資対象 | S&P500 | S&P500のうち配当利回り上位80社 |
運用総額 | $120.7 billion | $2.0 billion |
手数料 | 0.03% | 0.07% |
銘柄別 組み入れ比率 TOP 5 | Microsoft Corp 4.29% Apple Inc 3.84% Amazon.com Inc 2.91% Facebook Inc A 1.73% Berkshire Hathaway Inc B 1.60% | Newell Brands Inc 1.72% Leggett & Platt Inc 1.66% CenturyLink Inc 1.60% AbbVie Inc 1.58% The Western Union Co 1.56% |
セクター 組み入れ比率 Top 5 | 情報技術 23.34% 金融 15.67% ヘルスケア 13.54% 一般消費財 11.77% 資本財 10.40% | 不動産 18.63% 一般消費財 17.78% 生活必需品 11.91% エネルギー 11.59% 金融 11.06% |
開始日 | 9/7/2010 | 10/21/2015 |
配当利回り | 1.95% | 4.42% |
直近4年間の株価上昇率(年率) | 12% | 7% |
株価上昇率(年率)については、
VOOは2015年10月175.97ドル→2019年11月283.25ドルで、年率約12%で上昇。
SPYDは2015年10月30.2ドル→2019年11月39.70ドルで、年率約7%で上昇。
配当利回りは、2019年10月時点でVOO1.95%、SPYD4.42%です。
大雑把な比較としては、キャピタルゲインが欲しい人はVOO、インカムゲインが欲しい人はSPYDと言えますね。
ここで疑問になるのが、

VOOでキャピタルゲインを得て、資産を増やしてからSPYDに切り替えて不労所得をゲットするのが一番得ではないか
ということです。
これについて今回は検証してみたいと思います。
VOOをキャピタルゲイン目的で購入する場合の真の目的も、結局配当金?
安く買って高く売る・・・そのあとはどうするのか
そもそも、なぜVOOでキャピタルゲインを狙うのでしょうか。
安く買ってあとで高く売って差益を取るのがキャピタルゲインです。これによって儲けることができます。売った後は、何もしないよりも多くの現金が手元に残ります。つまり、現金を増やすための戦略です。
*価値の上がったキャピタルを子供に相続したいとかであれば話は別ですが・・
手に入れた現金で家を買う?車を買う?不労所得のために株式を買う?
では、増やした現金は何に使うのでしょうか?各自の判断で家を買ったり車を買ったり生活費に充当したりということになりますが・・・

投資家としてはやはり不労所得!!
キャピタルゲインを得るために持っている株やETFを売却した後は、増えた現金は不労所得を得るために使いたいですね。
つまり、結局また株やETFを買うわけです。不労所得を増やすためには、なるべく高い利回りで配当をしてくれる株やETFを買いたいですね。
VOOを買ったとしても、売るまではお金は(配当金を再投資している限りは)増えませんし、売って利益が出た後も、再投資しなければ不労所得は得られません。
VOOやSPYDなど米国ETFの課税関係の確認 売却益・配当金にかかる税率は?
早速VOOとSPYD比較のケーススタディに行きたいところですが・・・アメリカのETFから配当金を受け取ったり、ETFを売って利益が出た際の課税についてさらっと確認しておきます。
キャピタルゲインにかかる税率【日本居住者の場合】
この場合は日本の基準で課税されます。米国で課税されて二重課税になる状況を避ける手続きが必要ですが、負担額は日本の課税額ということになります。
キャピタルゲインにかかる税率【米国居住者の場合】
連邦税(いわゆる所得税)と州税(いわゆる住民税)があり、ニューヨーク州で私の所得の場合は、23.8%になります。
インカムゲインにかかる税率【日本居住者の場合】
この場合も日本の基準で課税されます。
アメリカで10%が課税されますが、日本で還付を受けることができます。
(所得等によっては全額還付できないケースもあります。)
インカムゲインにかかる税率【米国居住者の場合】
DRIP(Dividend Reinvestment Plan)という配当金再投資制度を利用する事で非課税になります。
(2019年11月25日追記)米国居住者のインカムゲインにかかる税率については要調査が必要です。
私は今は駐在しておりDRIPを利用していますが、長い目で見ると日本居住者の期間が圧倒的に長いので、ケーススタディは日本居住者として行います。
【VOOとSPYDどちらに投資するべきか】ケーススタディ
投資目的は【不労所得を得ること】
「SPYDをホールドして配当金という不労所得を受け取り続ける。(再投資しない)」ということが最終目的だとしましょう。私の場合はこれが最終目的です。
今回検証するのは以下の2つのケースの比較です。
ケース1
↓
不労所得が欲しくなった時に(仮に20年後に)すべて売却。
↓
SPYDを購入する。
↓
SPYDをホールドして配当金という不労所得をもらい続ける。
ケース2
↓
配当金はすべてSPYDに再投資。
↓
不労所得が欲しくなった時に(仮に20年後に)再投資をやめる。
↓
SPYDをホールドして配当金という不労所得をもらい続ける。
[計算の前提]
10,000ドルの投資から開始。
VOOは年間12%で価格が上昇。配当金は年初価格の1.95%で、当該額を再投資。
SPYDは年間7%で価格が上昇。配当金は年初価格の4.42%で、当該額を再投資。
日本居住者のベースで、税率を計算。
検証結果
検証の結果は以下のようになりました。
ケース1
赤色の実線がVOOの投資金額の推移で、売却をしなければ20年後には11万ドルの価値になっています。
赤色の点線が各時点でVOOを売却した場合に、税額を引いて手元に残る金額です。20年後に11万ドルの価値のあるVOOを売却すると9万ドルの現金が手元に残り、これをSPYDに投資します。
すなわち、ケース1では20年後のSPYD投資額は9万ドルということになります。
ケース2
青色がSPYDの投資金額の推移で、税引き後配当金でSPYDを買い続けた場合、20年後には7万ドルの価値になっています。ケース2では20年後のSPYD投資額は7万ドルということになります。
20年後に保有しているSPYD投資額を比較するとケース1の方が圧倒的に多いことが分かります。
VOOの株価上昇の方が、株式譲渡益への税金を差し引いても、SPYDの高配当による積立よりも有利ということです。
この比較から、最終的に不労所得を得たいという目的であれば、VOOで株価の上昇を得て、どこかのタイミングでSPYDに乗り換えるという戦略が有効ということが分かりました。
VOOとSPYD比較の各ケースにおける注意点
マーケット下落局面、含み損の状況におけるブレない投資方針への寄与
VOOやSPYDなどのETFや株を持っていて一番怖いのは下落局面や、含み損です。
例えば価格が上昇している時はとても心地よく毎日のように証券会社の口座の画面を開いてしまいます。何の問題もありません。
ある日価格が下がったとしましょう。一日くらいであれば「またすぐに上昇して戻ってくるはずだ」と楽観視してホールドすることができますが、これが数日続くとどうでしょうか。「戻ってこなかったらどうしよう」という不安が強くなり、最後には売ってしまいます。

損を確定したくない・・。反発すると信じたい・・。
「長期では上昇を続ける」という戦略を取っている中でこのような場面で売ってしまうのは、戦略を無視して行動していることになります。
「売ってしまいたい」という気持ちを抑えるために一役買ってくれるのが「配当金」です。配当金を受け取ると嬉しいですし、「不労所得をちゃんと得ている」「自分が正しいことをしている」という自信が生まれ、下落局面で売ってしまうという事態を避けることができます。
この意味で、ブレない投資方針を支えるブレない心を持つためには、配当金収入は多い方が良いのは間違いありません。この点を考慮したければSPYDを選択するのも有りだと思います。
SPYDでも良いケース:短期中期的にキャッシュが必要な場合
ケーススタディでは、投資したものは20年後まで投資したままで、配当金も再投資に使っています。
つまり、20年間は現金の収入はありませんので、生活費や教育費等のための現金は別途準備が必要になります。
投資をしながら、得られた不労所得も使うことも考えている場合は、SPYDにしておいた方が無難かもしれません。
過去5年や10年の実績だけで検証している
VOOもSPYDもできたばかりのETFですので、5年や10年の短い期間の過去の実績をもとに検証した結果が将来においても正しいとは限りませんね。
ただ、不確実な将来を「不確実なので何もしない」としていては始まりませんので、今回の比較は一定の意味があると思っています。
結論 VOOかSPYDの選択は投資家自身の志向や状況に応じて選ぶ
これまでの検証から以下のような結論に達しました。
- 3か月ごとに入金される配当金を見て安心感を得るのが大事という人はSPYDなどの高配当ETFや株に投資して不労所得の金額を早めに多くするのが良い。
- 配当金が少なくても、決めた投資方針をブレずに継続できる人はVOOに投資して最後にSPYDなどの高配当ETFや株に切り替える方が良い。
- 短中期的に現金が必要で配当金を使いたいという場合はSPYDなどの高配当ETFや株で配当金を多めにすると良い。
- 生活のための現金は投資とは別に手元に用意している場合はVOOが良い。

目に見える不労所得がないと不安になっちゃうよ~・・

ウサニーはSPYDを買って分配金を楽しみにするのはどうかな?
僕は暴落でもブレない心を持っているのでVOOを買います
ロムニーの場合はブレない心を持っているのでVOO一択になります。仮に配当金がゼロだとしても、VOOだけに投資し続けることができると思います。
ブレない心が欲しい方は株価が暴落するとどうなる?暴落シミュレーションで耐性を身につけよう!【パート1】もご参照下さい。
VOOとSPYDの徹底比較 まとめ
今回は、「VOOでキャピタルゲインを得て、資産を増加させてから高配当株に切り替えて不労所得をゲットしたほうが得なのではないか」という疑問に一つの答えを出せたかと思います。
とは言え、VOOでもSPYDでも暴落の時期は20年のうち何回は必ずあるでしょうから、やはりブレない心で投資を続けることが、実は銘柄を選定する事よりもはるかに大事なのではないかと思います。
「配当金は少ないけどVOOを信じて買い続ける」という戦略が現時点では自分にとってベストだと思っています。
他のETFは全然検証していないので、あくまでも「現金のままもっているよりはマシな戦略」、というお話です。まだまだ色々勉強して改善していく必要があります。
*上記の内容は現時点で私の知り得る情報を基に記載しています。
可能な限り一次情報を調査の上公開しておりますが、万が一誤った情報があった場合、ご指摘・アドバイスを頂戴できればとても嬉しいです。
*投資は自己責任でお願い致します。
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