この記事では、2019年11月時点でなぜVOOのみに投資をしているのかを説明します。
VTIやSPYDなどのETFに加えAMAZONやMicrosoftといった個別銘柄、さらには債券や金という投資対象がある中で、みなさん独自のポートフォリオを作って投資をしていると思いますが、今の自分にはVOOが合っていると判断しています。
その理由についていくつか解説したいと思います。
理由1 個別銘柄よりもETF
信託報酬手数料の安さ
手数料が高ければETFは除外するところですが、VOOの信託報酬はわずかに年0.03%です。確かに個別銘柄よりもコストが高くつくことになりますが、大きな差ではないためVOOでも問題ありません。
コストの絶対額は、個別銘柄との比較では無関係ですが、1,000万円投資しても3,000円ですので、インパクトは小さいですね。
時間的な制約
日本では個別銘柄を分析し、短期的な売買で利益を出していました。会社四季報が発売されるときにはいち早く入手して各ページを熟読、時にはその会社のIRに電話をして事実確認をしてから売買をしていました。
それなりの時間を分析に使って初めて投資ができると思っています。
駐在中の今は仕事と家族との時間を優先しているため、個別銘柄を分析する時間は取れそうにないというのがETFを選んでいる理由の一つです。
理由2 高配当株ETFよりもS&P500連動のETF
結局どちらが資産増加に寄与するのか【SPYD】対【VOO】
高配当株ETFの代表SPYDを例に、VOOと比較してみます。
SPYDはS&P500の銘柄のうち高配当銘柄上位80社で組まれたETFです。
VOOはS&P500のインデックスに連動するように組まれたETFです。
ETF自体の価格は以下の通りVOOに軍配が上がります。
SPYDは2015年10月30.2ドル→2019年11月39.70ドルで、年率約7%で上昇。
VOOは2015年10月175.97ドル→2019年11月283.25ドルで、年率約12%で上昇。
一方、配当金に関しては当然ですが、SPYDに軍配があがります。
2019年10月時点の配当利回りはSPYDが4.42%、VOOが1.95%です。
それでは、上記の前提で仮に1万ドルを10年間運用すると資産がどう変化するのか見てみましょう。
[前提]
SPYDは年間7%で価格が上昇。配当利回り4.42%で全額を再投資。
VOOは年間12%で価格が上昇。配当利回り1.95%で全額を再投資。
[結果]
ご覧の通りVOOの方が資産価値の上昇は大きくなります。
*実際はこんなにきれいなカーブは描きませんが・・。
これが私がVOOを選んでいる理由になります。
配当金によるメンタル維持効果はSPYDが高い
注意点ではありますが、SPYDを選択するメリットも当然あります。
それは、受け取れる配当金が多いということです(当たり前のこと言っています)。
先ほどの例で受け取れる配当金をグラフにすると以下の通りです。
10年目で13万円受け取れるのと、7万円受け取れるのでは、喜びが変わります。
この入金する喜びの大小が、価格下落局面や含み損を抱えた時に大事になってきます。

大きな不労所得があれば、含み損でも売らずにいられる気がする・・・。
・価格下落時にも売却せず我慢できるか。
このあたりは実際に手に入れられる不労所得の金額がキーになりますので、これを重視する方はSPYDが良いかもしれません。
現金が必要であればSPYDを選ぶのもあり
VOOは持っているETFの価値が上がっていくだけ(プラス少ない配当金)ですので、手元の現金が必要ということであれば、配当金を多くもらえるSPYDを選ぶのも良いと思います。
目的が「不労所得を月10万円」とかであればSPYD、「資産1億円」とかであればVOOと言うこともできますね。
メンタルが強く現金が不要であればVOOが良い
以上の話から、投資方針がブレることなく投資を継続できる強いメンタルを持っており、現金も当面必要にならないという方はVOOで長期的な値上がり益を狙う方がよいと考えます。
理由3 S&P500連動のETF アメリカ経済への信頼
徹底した分業社会、効率追求型の社会構造
ニューヨークで生活、仕事をしていて、アメリカは徹底した分業社会であり、かつ効率の良さを善としている社会だとこの数年でひしひしと実感しています。
アメリカで働いている人の多くはある一つの分野に特化して秀でた能力を持っていることが多いです。逆に「営業もできて物流もできて会計も分かります」という人はとても稀で、そういった人材は優秀な企業のDirector(いわゆる取締役)クラスで、年収数千万円という人材です。
特化した人材がうまく会社内、チーム内で力を発揮できるように、マネージャーや経営層もマネージメント能力/業務に特化しています。
アイデアマンはアイデアを考えることだけに時間を費やすため、先進的アイデアが出てきやすく、営業マンは営業スキルだけを磨いているので優秀な営業マンが多数います。
これらがうまく社会全体で噛みあっていることが、先進国にもかかわらずアメリカ経済が成長を続けてきている理由の一つかと思います。
貿易や金融などマクロ、ミクロの経済については調べてればいろいろ意見が出てくるかとおもいますが、肌感覚として「アメリカの社会構造は成長を持続するための構造になっている。」と思う次第です。
故にアメリカ全体の成長を見込んで投資をしています。
変わることのない格差社会が資産の増大を支える。
アメリカでは日本とは比べものにならない貧富の格差が存在します。
以下はクレディ・スイスのGlobal wealth report 2019のデータからの抜粋ですが、米国の中間層の割合は66%(日本は93%)で富裕層は8%(日本は3%)です。
「貧・富」のうち、私がアメリカ人との仕事や生活を通して感じる、富を得ている人達の特徴は、
・高水準の教育を受け、高給な職につくことができる。
・保有資産は増大していく。
一方、経済的に貧しい人たちの特徴は、
・親が低水準の教育を受けていて、子も高水準の教育を受けず、給料の安い職につく。
・労働で得た対価を消費に使い、資産が増えない。
です。
社会をコントロールしている富裕層は社会全体の資産(株価上昇)を望み、貧困層はそのためのツールとして労働を搾取されています。
搾取されている貧困層は27%です!(日本は5%)
アメリカ経済はある意味で27%の貧困層が支えています。
朝スターバックスのコーヒーを一杯飲む人がたくさん(本当にたくさん!!)街に溢れていますが、
[資産を持っていて運用益である不労所得でコーヒーを買っている人]
[資産を持たず、昨日稼いだお金を運用せず、毎日そのお金でコーヒーを買っている人]
という背景の違いがあるのだろう、と思います。
変わることのない差別社会が格差社会を支える。
耳障りな話なので多くは書きませんが、アメリカで生活していると「差別」という大きな壁の存在を感じます。
アメリカンドリームという単語があるように、貧しい家に生まれても、のし上がることはできるじゃないか、という話もありますが、ここには「差別」という大きな壁が立ちはだかり、労働を搾取される側とする側という立ち位置が変わることは、先100年くらいは無いのではないかと、残念ながら思います。
エリザベス・ウォーレン上院議員が2020年の大統領選の民主党候補指名権獲得に名乗りを上げ、大企業と富裕層を対象に10年間で6兆ドル規模の増税を行うとしていますので、中期的には企業の体力が落ち株価も下落するかもしれません。
しかし、長期的にはアメリカの社会構造は変わらず、リセッションを乗り越えて株価が成長するだけの底力があると信じています。
理由4 VTIよりもVOO
分析するとVTIの方が米国の中小型株を含んでいるがゆえに長期的に有利ということになりますが、個人的には微々たる差だと思います。
正直言いますと、投資の神様ウォーレン・バフェット氏が2013年の年次Letterの中で、自分の死後残っているお金は、10%は米国債に、90%はS&P500連動のファンド(特にVanguard社のファンド)に投資することを推奨しているからです。
those attained by most investors – whether pension funds, institutions or individuals – who employ high-fee managers.” - Warren Buffett’s Letters to Berkshire Shareholders
それと、結局投資を開始する時期で大きく結果は変わるので、VITとVOOの微差は大した問題ではないと考えます。

神様は信じませんが投資の神様は信じます。
投資方針を改善するには ETFの勉強とドルコスト平均法からの脱却
他のETFの特徴を分析する
現時点では、投資をしていないゼロの状況からまずは一歩目を踏み出すべく、ETFについてさらっと調査をした結果でVOOを選択しています。
ステップアップするために、生活必需品セクターや公益セクターなど、他のセクターのETFをポートフォリオに組み込むことも検討していきます。

ロムニー流ポートフォリオの組み方
↓
許容できるリスクの範囲内でリターンが最大となるポートフォリオを組む
積立方針を改善する
現在はVOOを毎月一定額積み立てしていて、いわゆるドルコスト平均法という手法になっていますが、これは投資初心者が行う方法です。
投資対象であるVOOについて分析が浅く、いつ買うのが得か損かの自分なりの意見を持っていないため、ドルコスト平均法が適していると考えています。何も考えず、一定額積み立てる、とても単純な作業です。
ステップアップするには、投資額を増やす月と減らす月の濃淡をつける事が必要になってきます。
自分なりのルールを作るべく過去データの検証をしてから投資額の変更を行っていきます。
↓
自分なりの結論を出す
↓
結論に自信が持てる
↓
一時的な損失で投げ売りせずに耐えられる = 【ブレない投資方針】
このステップを踏まずに、「誰かがブログでこのポートフォリオで運用しているから」という理由で投資をすると、損失を抱えた時にポートフォリオに自信が持てずに投げ売ることになると思います。
そもそもポートフォリオは一度作ったら生涯同じというものではなく、時代とともに修正していくことが求められますが、自分で作ったポートフォリオでないと修正することができませんね。
まとめ
なぜ私がVOOを選んでいるのか解説してきましたが、如何でしたでしょうか。
自信がつくまで勉強して分析して、理由に納得した上で自分なりの【ブレない投資方針】を作る必要があります。
VOOを選ぶ理由に自分なりに納得した上で投資している、という事がとても大事だと思います。
勉強すればするほど改善された【ブレない投資方針】ができあがり、運用益も上がっていくことでしょう。

大人になっても日々勉強!
*上記の内容は現時点で私の知り得る情報を基に記載しています。
可能な限り一次情報を調査の上公開しておりますが、万が一誤った情報があった場合、ご指摘・アドバイスを頂戴できればとても嬉しいです。
*投資は自己責任でお願い致します。
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コメント
私もブレないように
腹落ちするまで
銘柄を勉強しようと面白います☺️
あのnetsさんですか!?
当ブログ初めてのコメントです!ありがとうございます!
腹落ち、本当に大事ですね。
あのnetsです🤗笑
共感し過ぎて
コメントしちゃいました!
でも誤字してました
ごめんなさい💦
誤字なんて全く気にしてないですよ!
コメントありがとうございます!😆