この記事では、2021年にリーマンショック級の株価暴落が起きた場合にどうなるのか?S&P500とVOOの株価の推移をシミュレーションして、精神的に耐えられるのか検証しています。
米国株式市場は12月も続伸し、主要株価指数が最高値を更新しています。
こんな時こそ「株価暴落したら自分は耐えられるか」をシミュレーションしておきたいですね。
株価暴落はいつ来るかは分かりません。明日暴落するかもしれないし、逆に2020年も続騰するかもしれません。
シミュレーションをしておくことで、不安や失望のせいで非論理的にマーケットから退場してしまうリスクを軽減することができます。
株価が暴落するとどうなるかシミュレーションをする目的・方法
株価暴落に備えるのが目的
私含めて長期で運用している方は、どこかで必ず暴落に遭遇します。当然みなさんそんな事は分かっているので
✔ 暴落しても自分はたんたんと積み立てを続ける自信がある
✔ 株クラの悲鳴すら聞こえなくなった時が暴落 その時も生き残ろう
といった事をお考えかと思います。

私も全く同じ考え、同じ想いでVOO積立をしています♪
私もかなりの自信を持って暴落に耐えられると思っていますが、
✔ リスク許容度の確認は「やって損することではない」
✔ 「自分は耐えられる」という分析自体が間違っているかもしれない
という事を考えると、シミュレーションをしてみることは意味があると思います。
株価暴落シミュレーションの方法
リーマンショック前後の株価推移を参考に、同じスピード感、同じ下落率で2020年1月から株価が推移した場合のS&P500及びVOOの価格推移をみていきます。
見ていくポイントは以下のような点です。
✔ 各転換点でどのような気持ちになるか
✔ 証券会社の口座でどのように表示されるのかを具体的に表示
具体的に口座の状況を示してみる事で、可能な限り「暴落時の自分の気持ち」を想像できるようにしてみました。
それでは早速見てみましょう。
株価暴落の代表、リーマンショックについて
今更ですが、まずはリーマンショックの説明です。
by Wikipedia
S&P 500の過去からの推移は以下の図の通りですが、緑色で囲ったあたりがリーマンショック前後の推移になります。
拡大すると↓のようになります。
水色の●の部分がリーマンショックが始まった月ですので、実際は少し前の2007年秋くらいから少しずつ下落局面だったようです。
これを2007年1月の株価を100%としてパーセント表示すると↓のようになります。
2009年3月頃に時価が50%近くになっています。
この下落率(%)で現在のS&P500とVOOの価格が2020年1月から下落するとどのようになるのか見てみましょう。
今(2019/12/12)の価格はS&P500が約3,169ドル、VOOが約291ドルです。
暴落が起こるのは2021年9月15日です。名前は何ショックにしましょう。
まぁ何でもよいので「ウサニーショック」としておきましょうか。

ひどい!!
市場参加者に大きな心の変化が見られそうなのは以下の6か所くらいでしょうか。
ひとつずつ見てみましょう。
株価暴落でどうなるか、リーマンショック級の暴落でシミュレーション
暴落前後で市場参加者に大きな心の変化が見られるポイント
暴落前後の各タイミングで、実際にVOOに投資している方の証券口座がどうなっていくのか、見てみましょう。
シミュレーション前提
✔ 平均取得単価は1-11月始値平均の約267ドル
✔ 保有株数は約37株
この前提で含み損益がどうなるかというと以下の通り。
ウサニーショックの少し前までは含み益で推移しています。
各ポイントで証券口座を開いて見るとどういった状況か、見てみましょう。
2020年11月
2020年は後半に少し減速するものの、11月には含み益21万円を達成。
2021年2月
なんとなく上昇相場が終わりそうな予感がしつつ口座を開いてみると・・・
数か月前には20万円ほどの含み益がありましたが、7万円に減ってしまいました。
私は特に何も感じませんし、そもそも含み損益を全然確認していませんが、
皆さんどう感じますでしょうか。
2021年4月
株価はさらに下落し、含み益は2万円まで減ってしまいました。
日々含み損益を気にしていると、それなりにショックを受けそうです。
2021年6月
株価がいったん上昇し、含み益が8万円にもどりました。
✔ 数か月前に売ってしまった人は「あ、やっぱりちょっと上がった!買ってみよう」と言ってまた参加してみたりします。
✔ 数か月前の下落期間を耐えて売らなかった人は「ちょっと復活した今こそ売り時か・・・でもこのまま上昇するかも?」と悩みます。
2021年9月以降
ついにウサニーショックが発生し、翌年3月まで続落します。
ここからは毎月の証券口座を底値になるまでご覧ください。
2021年10月
含み損が一気に11万円になりました。
そろそろ寒い冬がやってくるので、羊の羊毛がモフモフし始める時期です。
「毛は増えてほしいけど含み損は増えて欲しくない!」と願う人が世の中に多くなりますね。
2021年11月
含み損が一気に28万円になりました。
2021年12月
含み損がさらに34万円になりました。
耐性のない方は寂しい12月のホリデーシーズンを過ごすことになりそうです。
2022年1月
含み損は33万円になりました。
もうこの辺で、人によっては口座を見にいかなくなりますね。スマホから証券会社のアプリを削除するかもしれません。
とにかくウサニーが憎くてしかたないですね。

えぇ・・・
2022年2月
含み損が増えて40万円になりました。
2022年3月
含み損がついに48万円になりました。
投資資金が半分になってしまいました。
まだ売らずにいる方は
●12月くらいから思考停止して口座を全く見ていない人
でしょうか。前者でいたいものです。
2022年7月
ようやく下落が一服し、含み損が32万円に戻りました。
今まで口座を見たくなくて放置していた人も、チラッと口座を見てみたくなります。
「15万円も戻ったのだから、今のうちに売っておこう!また下がったら怖い」
と言って売ってしまうと、これすなわちマーケットからの退場です。
そういった方は暴落が怖くて再びマーケットに入ってくるのは難しいでしょう。底を打って上昇を始めても、こういったタイミングで退場する可能性がありますね。
投資額が1,000万円の場合
参考までに1,000万円投資されている方の場合どうなるか、画像だけ貼っておきます。
100万円単位で増える含み損に耐えられるか、想像してみてください。
2020年11月
含み益206万円。
2021年2月
含み益66万円。
2021年4月
含み益22万円。
2021年6月
含み益84万円。
2021年10月
含み損113万円。
2021年11月
含み損277万円。
2021年12月
含み損345万円。
2022年1月
含み損332万円。
2022年2月
含み損398万円。
2022年3月
含み損477万円。
2022年7月
含み損317万円。
約500万円の下落に耐えられないようであれば、債券を組み込んだり、株式投資額を減らすなどのアセットアロケーションの組み換えをしてリスクを減らす必要があります。
為替の変動を考慮して検証
Twitterでリクエストございましたので、為替変動も考慮してみました。
上記1,000万円のパターンで、為替と損益の推移は下図の通り。
為替の推移は損益の推移(=株価の推移)とだいたい同じように動いていることが分かります。
景気が悪くなってくると投資を控えて円が買われるということですね。
では、ドル建てと円建てで損益の推移がどうなるか比較のグラフを見てみましょう。
円建ての方がブレが大きくなっており、底を打つ2022年3月では損失は50%を越えています。
この時点の証券口座は以下のような状態です。
ご指摘頂いた通り円建てで考えると、暴落のダメージはさらに大きいことが分かりました。
株価暴落に耐えるために長期投資家として重要なこと
短期的な含み損益で一喜一憂しない事
毎月の含み損益を確認し、一喜一憂していると、暴落した時に不安になり、最悪口座の状況を確認しないという行動を取りかねません。
これでは、暴落には耐えられません。
長期投資をしている方は、売却のタイミングが近づくまでは、含み損益を確認する必要は一切ないはずです。
購入するタイミングを計る上では株価を気にするのは問題ないですが(うまくいくかは別)、購入してしまったものは、売るタイミングが来るまでは含み損99%になっても売る必要はありません。
実際私はほとんど含み損益を把握していません。

でも含み益になってると嬉しいし含み損になってると悲しい。
そういった方は、含み損になると不安になってくる方だと思います。
その場合は上記のようなシミュレーションで、
✔ 50万円の含み損なら耐えられる
✔ 100万円の含み損なら耐えられる
など、自分なりの基準を持っておき、その範囲で投資をしていくのが良いと思います。
出口戦略も大事
今回の記事の主旨とは違いますが、長期投資でも、どこかのタイミングで売却する時が来ると思います。
その時は一括で売却するのか、時間を分散して売るのかなど、考慮すべきことはたくさんありそうです。
私の場合は20-30年後になりそうなので、特にまだ何も考えていません。
その頃には税制、家族構成、住んでいる場所など、色々変わっているかもしれません。

そもそも地球に住んでいるかも分かりませんね♪
株価暴落でどうなる?暴落シミュレーション【パート1】 まとめ
シミュレーションとはいえ、それっぽい証券口座の様子まで見てみると、「さすがにこうなると怖いな・・」という感覚が分かってくるかと思います。
残念ながら私は「含み損関係なし」とかなり達観しているせいで、シミュレーションでは恐怖を全く感じませんでした。

鈍感だね!
シミュレーションがどなたかのお役に立てば幸いです。
暴落した後の株価回復期のシミュレーションもしています。
暴落に備えるためには、今回の精神的なリスク許容度に加えて、経済的なリスク許容度も確認しておく必要があります。二つのリスクについては以下記事で私なりの考え方をご紹介しています。
ブームの時の「高値掴みになるかも・・」という不安を解消する方法として、一例を挙げて検証してみた記事も参考になるかもしれません。
*上記の内容は現時点で私の知り得る情報を基に記載しています。
可能な限り一次情報を調査の上公開しておりますが、万が一誤った情報があった場合、ご指摘・アドバイスを頂戴できればとても嬉しいです。
*投資は自己責任でお願い致します。
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