この記事では暴落に関する指標とSP500との関連性、データの取り方を株初心者の方でも分かりやすいようにご紹介します。
株価が好調な状況では「そろそろ暴落が来る」という話が良く出てきます。
個人的には、「いつが暴落の底か」は、暴落が終わって初めて分かるものだと思いますが、少しでも暴落の事を理解することは「今暴落の最中か」が早く分かるための努力として意味があると思っています。
暴落に関する知識総まとめをどうぞ。
暴落に関する指標をなぜ知る必要があるのか
特に長期インデックス投資家には必須の知識
まず、どんな指標を使っても、暴落を予知することは不可能と考えます。
それができれば今頃は億万長者です。
ではなぜ暴落に関する指標を学ぶのか?
得られるメリットは3つ。
✔ 「やっぱり暴落来たね」と早めに思えるため、精神的余裕がうまれる
✔ 暴落を脱する時も早めに気が付くことができる
「暴落を予想して儲ける」という考え方ではなく、
暴落という敵を知ることで、暴落が来た時にろうばい売りすることを避ける
というのが狙いです。
逆に知識がないとどうなるか想像してみる
ニュースやTwitterで「騰落レシオがいくつになったので暴落の予兆あり」という話を耳にし始めます。
この時の感想は

なにやら暴落の予兆があるらしい
「逆イールドカーブがこうなったので暴落の予兆あり」という話を耳にしても、感想は同じく

なにやら暴落の予兆があるらしい
となります。
知識がなければどれも同じように見えます。
暴落に関する指標の知識があれば、こういった情報に対して違う見方ができるようになるかと思います。
暴落に関する指標一覧
ご紹介する指数は以下の6つです。
✔ バフェット指数
✔ VIX
✔ 騰落レシオ
✔ 逆イールドカーブ
✔ Fear&Greed指数
✔ ラッセル2000
それぞれの指標で以下の2点を説明しています。
1 指標の内容説明
2 S&P500と指標を同じグラフに表示
(小声) キュー指数やヒンデンブルグオーメンといった指数まで説明していないので「全部説明します」というタイトルは盛りすぎですね・・。すみません。
それでは早速みていきましょう。
暴落に関する指標&株価との比較
バフェット指数 (Buffett Indicator)
バフェット指数とは
バフェット指数とは、ウォーレン・バフェット氏が株式市場の割高・割安を判断するのに用いている指標で、以下の式で表されます。
指数が100%を越えれば市場に過熱感があるとしています。
名目GDPを使うことから分かる通り、この指数は国ごとに算出されます。
バフェット指数とS&P500
最新の数値はgurufocusというサイトのこのグラフで見られます。
今は150近辺を推移しています。
S&P500と一緒に表示するとこのようになります。
アメリカの名目GDPはIMFのページから取得しました。
一目で相関があるのが分かりますね。
指数が低いときに購入すると割安価格で購入できるということになります。
現在の水準は過去最高値の水準に来ていると言えます。
VIX指数
VIX指数とは
VIX指数はシカゴオプション取引所(CBOE)がS&P500のオプション取引の値動きから算出している数値で、数値が高いほど投資家が将来の株価に不安を抱いていることになります。
恐怖指数とも呼ばれ、先30日間のボラティリティを予想するのに使われます。
VIX指数は1930年から発表されていて、2003年にその算出方法が変わったため、それ以前のVIX指数は「CBOE S&P 100ボラティリティ指数」と呼ばれています。
VIX指数とS&P500
最新のVIX指数はこちらのCBOEのサイトで確認できます。
S&P500と一緒に表示するとこのようになります。
2000年前半、2007年の暴落時はVIX指数が高値圏にあります。
2012年以降は比較的低めで推移していますが、株価が停滞・下落しているときにはVIX指数は上昇しています。
騰落レシオ
騰落レシオとは
騰落レシオとは、ある一定期間(25日間が一般的)の市場の値上がり銘柄数の合計と値下がり銘柄数の合計を比較することで市場の過熱感を判断する指標です。
%で表示され、120%を越えると過熱相場、70%を下回ると株価が底に近いと言われています。
騰落レシオとS&P500
アメリカの騰落レシオはAdvance Decline Ratioと呼ばれていて、最新の値はTradinviewのサイトで見られます。
以下の式で、0以上の数値で表されます。
過去のデータが入手できなかったので、S&P500とのグラフは断念・・。
2007年9月からしかデータが取得できませんでしたが、ご参考までにTradingviewで作成したグラフはこちらです。
青ラインがニューヨーク証券取引所の10日間のAdvance Decline Ratioです。
これはいまいち関連性が分かりません。
騰落レシオと日経平均
日経平均と騰落レシオ(25日間)の図はStockBrainのサイトで見られます。
こちらはかなり関連性があるように見えますね。
逆イールド
逆イールドとは
逆イールドとは、短期債券の利回りが長期債券の利回りを上回っている状況を指します。
長期債券(例えば10年国債)の金利の方が短期債券(例えば2年物や3か月国債)の利回りよりも高くなります。
しかし、将来の景気が後退すると投資家が考えている場合には、投資家は長期債券の購入を進め、その結果長期債券の利回りが下がります。
今年2019年の8月に米国債の2年物と10年物の金利が逆転し、約12年ぶりに逆イールドが発生しました。
みずほ総研のレポートによると、1980年以降で逆イールドが発生したのは5回だそうです。
逆イールドとS&P500
逆イールド発生期間とS&P500の関係をグラフにすると以下の通り。
一般的に「逆イールド発生から景気後退局面入りまでは1-2年かかる」と言われているのがなんとなく分かります。
そもそもサンプル数が少ないので、次回逆イールドが発生したらどうなるかは予測しにくいですが、逆イールドが発生した時は以下の2点を思い起こせば良いかと思います。
✔ 1-2年で後退局面に入る可能性が高い。
Fear&Greed指数
Fear&Greed指数とは
Fear&Greed指数がアメリカのCNNが集計している0-100の間の数値で、50以下は恐怖(Fear)、50超は貪欲(Greed)な状態を示しています。
CNNの公式ホームページで最新の指数が見られます。
2019年12月26日時点で93でした。
この指数の算出には前述のVIX指数や、値上がり株数と値下がり株数の差などが使用されています。
Fear&Greed指数とS&P500
過去データが取得できなかったので、CNNサイトにある3年分のチャートをご紹介します。
試しにFear&Greed指数が20未満と80超の期間をS&P500のグラフに表示してみました。
✔ Fearだと株価下落している
ということが分かりますが、同時に、
✔ 株価下落している時に必ずFearなわけではない
という点にも注意が必要です。
*範囲が3年未満なので、この分析の信頼性は高くない気がします。
ラッセル2000
ラッセル2000とは
ラッセル2000とはラッセルインベストメント社が1984年に開発した米国の小型株指数です。
ニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場している銘柄のうち、時価総額上位1001位から3000位の銘柄を時価総額で加重平均した値です。
ちなみに同じく時価総額1位から1000位のものをラッセル1000といいます。
小型株中心となっているため、景気動向の先行指数として使われます。
この指標に連動するETFも存在し、バンガード ® ・ラッセル2000 ETFなどがその一例です。
ラッセル2000とS&P500
ラッセル2000とS&P500の関係をグラフにすると以下の通り。
データ元はInvesting.com
確かに株価の下落に先行してラッセル2000が下落しているように見えます。
各指標の現在値の参照先リンクまとめ
最後に各指標の最新値の参照先リンクをまとめておきます。ご活用下さい。
✔バフェット指数
✔VIX
✔騰落レシオ(S&P500)
✔騰落レシオ(日経)
✔逆イールドカーブ
✔Fear&Greed指数
✔ラッセル2000
*逆イールドは米国債金利の一覧のページになります。
まとめ
暴落に備えて市場の上昇下落局面を示す指標を調べてみたので、ざっくりご紹介いたしました。
今回調べてみて、それぞれの指標の違いが少しは理解できた気がしますので、今後入ってくる暴落関連の情報の意味がより分かってくると思います。
皆様のお役にも立てれば幸いです。
*上記の内容は現時点で私の知り得る情報を基に記載しています。
可能な限り一次情報を調査の上公開しておりますが、万が一誤った情報があった場合、ご指摘・アドバイスを頂戴できればとても嬉しいです。
*投資は自己責任でお願い致します。
にほんブログ村
SBIネオモバイル証券 口座開設プロモーション
松井証券ではじめる株式取引
↑有益な投資家ブログがまとめて見られるサイトです!とてもオススメ!
コメント